
COMANYは創業以來60年間、間仕切事業を通じて間を仕切ることで「すぐれた『間』とは何か?」を探求し続けてきました。 1961年にキャビネットメーカーとして産聲をあげ、ほどなくしてパーティション専業メーカーとなってから半世紀あまり、業界のリーディングカンパニーとして発展してまいりました?,F在ではオフィス、工場をはじめ、病院、福祉施設、學校、空港や駅など、さまざまな空間に活躍の場を広げております。
私たちが事業活動を通じて追求し続けてきたもの、それは間仕切りそのものというより、思いを込めてつくりあげた空間で人々がいきいきと輝き、そこに新たな価値が生まれることでした。私たちはそれを「間づくり」と呼びます?!窩OMANYは間づくりカンパニーである?!工饯筏?、私たちが定義する「間づくり」とは、すぐれた間を生成すること??臻g、時間、仲間、間に合う、間違う、手間、人間…「間」という字には、人生にとって大切なものがたくさん含まれているように感じます。
私は、誰一人取り殘すことなくすべての人類?地球を含めたすべての生命體が調和し、発展して幸福を実現する社會を目指すべきであると考えております?!窫mpower all Life -一人一人が光り輝く社會-」これは、我々COMANYが2030年の実現を目指したムーンショットです。創業の時より脈々と受け継いできた創業者の精神と理念、そして間仕切りメーカーとして數多くの空間を紡いできた経験を礎として、今こそ私たちは間づくりカンパニーになる、「間づくり」で「Empower all Life -一人一人が光り輝く社會-」を実現するという新たな旅に出ようとしているのです。
2022年3月期の概況
2022年3月期の事業環境を振り返りますと、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、経済活動は持ち直しの動きもみられました。一方で、原材料の価格高騰や新型コロナウイルスの新たな変異株による感染再拡大、さらにはウクライナ情勢の緊迫による政治?経済への影響など、先行き不透明な狀況が続いています。そのような事業環境のもと、パーティション市場におきましては、オフィス市場を中心に新たな働き方に伴う空間の見直しなど、コロナ禍における新たな空間づくりの需要もあり回復傾向で推移しました。
當社はパーティションのもつ特性を活かし、企業におけるテレワーク推進やオンライン業務の積極活用など多様な働き方に対するオフィス空間づくりに合わせた商品やサービスの提案などに重點をおき活動することで、特に個室空間で集中して働くことのできるデスク付き個人ワークブース「Remote cabin(リモートキャビン)」は、コロナ禍の働く環境において好調に推移しました。また、その他の當社の主な市場である工場市場においては、製造業の設備投資が回復傾向となったことや、病院?福祉市場、學校市場においても設計段階から當社
商品を推薦していただく設計織込活動の成果もあり、2022年3月期連結の売上高は323億59百萬円(前連結會計年度比12.3%増)、営業利益は16億95百萬円(前連結會計年度比48.9%増)となりました。
そしてこの度、當社は公開買付による株式の非上場化という決斷をし、新たなスタートを切ることといたしました。おかげさまで當社は2021年に創立60周年を迎えましたが、人間でいえば還暦に當たるこの節目において、今一度あらゆる角度から自社を見直し、持続可能な強い企業體質を再構築してまいります。具體的には、目先的、短期的には一時業績を犠牲にしてでも、そのような痛みを伴うチャレンジを実行に移し、機動的に構造改革を実施します。これこそが未來に向けて當社の中長期的な企業価値向上に繋がるのではないかと考えています。このことは、一時的にでも株主の皆様の大切な資産である株価に影響が出ることが考えられるため、今まで長く安定的に當社株式を持ち続け、応援頂いた皆様にとっても最善の選択肢は何かを総合的に考え、今回の非上場化という決斷に至りました。
COMANYの全従業員を代表して、これまで多大なるご支援を頂きました株主の皆様に心からの感謝を申し上げるとともに、非上場化後につきましても、皆様から頂いたご支援に報いるよう、覚悟と決意をもって、この大変容の時代においても、世の中に対してさらに大きく貢獻していける企業となれるよう、精進努力をしてまいる所存でございます。 そしてCOMANYは間づくりカンパニーとして「 間 づくり」を 通じて「Empower all Life -一人一人が光り輝く社會-」を実現していきます。
ムーンショット「Empower all Life」を実現する
我々の2030年までに目指す姿は「Empower all Life -一人一人が光り輝く社會に貢獻-」です。これは、COMANYが持つ信念である「企業は世の中の幸福に貢獻するために存在すべきである」をベースに、私たちが果たすべき使命である「すべての人が光り輝く人生を送るために、より良く働き、より良く學び、より良く生きるための持続可能な環境づくり、人づくりに貢獻する」に取り組み、追求する先に実現したい姿そのものです。
人はそれぞれが持つ強みや個性、また生まれ育った環境などが違います。これらの違いを互いに認め合い、それぞれの個性を活かし合って相乗効果を生み出し、一人一人が光り輝くことができることこそ、本當に求めるべき幸福ではないでしょうか。人が自分らしく生き、光り輝くためには、自分らしくあることに対する不安を感じる必要がない安心と安全の確保が必要です。その上で、自分の良心や志に素直に生き、可能性を切りひらくための挑戦ができる環境が整っていることが大切であり、「間づくり」を通してそれらを実現できる環境づくり、人づくりに貢獻していきたい、というのが私たちの強い想いです。

1億人のWell-being向上を目指して
そして、私たちはEmpower all Life実現の指標として「1億人のWell-being向上」を目指しています。
実現のためのアプローチとして、既存の商品に社會課題解決に資するソリューションを付加し、人々の幸福に貢獻します?!父吣驼痖g仕切シンクロン」による震災リスクを軽減することで、より安心?安全の空間づくりの実現では、新たなメイン商品となる「Xis(エクシス)シリーズ」に標準搭載を実現し、昨年までの2030 年の到達見込み137萬人から3,500萬人へ大幅に向上させることができました。社會的インパクトを掲げ、バックキャスティングで考えることで実現した開発事例ともなります。また、昨今浸透している多様な働き方の一つとして、オンラインを活用したミーティングがあたり前の世界となり、その最適空間を実現するワークブース「Remote Cabin(リモートキャビン)」では、オンラインミーティングでの利用以外にも集中スペースとしての活用もサポートできるよう、利用者の目的に応じた照明の切替えができる商品としてアップグレードし、多くの方の「はたらく」をより良く実現しています。
これに加えて、既存の間仕切事業によるアプローチだけでなく、社會課題解決に貢獻するための「間づくり」による新規事業の創出、企業活動における間接的なインパクトやステークホルダーとの共存共栄などを通じて、さらに多くの人のWell-being向上を図ります
地球環境との共存
また、「1億人のWell-being向上」によるEmpowerall Lifeの実現の取り組みは、地球環境との共存を大前提に推進しています。私たちは2040年にはネットゼロを目指し、2030 年には「50%の環境負荷削減」を掲げ、脫炭素社會への取り組みを推進しています。具體的には「Scope1+2におけるCO2 排出量(単體)を2030 年までに2018 年度比で50%削減」「再エネ比率(単體)を2030 年までに50%、2040年までに100%」に向けて取り組んでいきます。2021年に環境に関する情報開示として「CDP評価」に參加し、サプライチェーン全體で環境負荷低減に向けての目標設
定などの活動が総合的に評価され、リーダー企業に選出されました。
さらに、循環型社會への取り組みとして、社內エコ基準を満たすエコ商品の開発を進め、2030 年にはエコ商品比率100%を目指しています。これからも環境や気候変動への対応を重要課題ととらえ、事業活動における環境負荷の低減、環境に配慮した製品開発などを通じ、中長期的な社會課題の解決に取り組んでまいります。
実現に向けた事業モデル「COMANY SDGS∞(メビウス)モデル」
これらの目指す姿を実現するために、私たちが事業活動を考える上で大切にしていることは、「未來は予測するものではなく、自らの手で創り出すものである」ということです?,F狀をしっかりとらえた上で、「私たちはどうしたいのか」という強い意志を持ち、それをもとに事業を展開しております。具體的な事業活動に展開するために我々が特に取り組むべき課題としたのは「自立分散型社會への取り組み」「ダイバーシティ&インクルージョンによるイノベーション促進」「技術革新による空間価値の向上」「環境保護や防災?減災などへの対応力向上」の4分野です。そして、これらの解決すべき社會課題とEmpwoer all Life実現のための価値創造領域を定めました。そのスケールは地球規模から一人一人の意識領域までに及びますが、その空間スケールに対して、間づくりの4つの要素である「人間」「時間」「空間」「手間」を意識しプロダクトやサービスを展開することで、価値創造に取り組んでいきます。
そして、これらの実現のための推進力となるのが間づくりであり、間づくりにより企業価値を最大化していくための事業モデルが「COMANY SDGs∞(メビウス)モデル」です。この∞モデルは、右側はプロダクト?サービスを通じていかに世の中に貢獻するかを表し、左側はステークホルダーの皆様の幸福にいかに貢獻するかを表しています。私たちの信念である「関わるすべての人の幸福に貢獻する経営」を目指し、∞モデ
ルを持続的に循環することを通じて、地球環境との調和のもと、お客様、サプライヤーなどのお取引先様、従業員、地域社會へのより大きな幸福を実現してまいります。
ダイバーシティ& インクルージョン
Empower all Lifeを実現し、一人一人が光り輝く社會に貢獻するために、多様なすべての人が自分らしく幸福であることを企業としても目指しています。事業活動においても、多様なニーズにお応えできるための
イノベーションを連続的に生み出していくことが重要と考えております。そのためには、お互いの違いを尊重し、多様な考え方を認め合い活かし合うダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)の推進が必要不可欠です。私たちは、このD&Iが事業活動における成長戦略の中心軸をなすものとして位置づけ、推進しております。多様性を重視することで一人一人の能力や個性を引き出し、やりがいと意欲をもって自らの人生を生きる個人が増えることで、組織や社會全體を活性化し、持続的な成長へとつなげていきます。
推進體制として、2019 年にサステナビリティ経営推進委員會、D&I 推進分科會を同時に立ち上げ、制度設計やD&I 研修の開催など、経営幹部も含めた全社員でD&I の実現に取り組んでおります。2030 年に
はジェンダーギャップを始めとするさまざまな壁をなくし、女性従業員比率30%以上、女性管理職比率20%以上の目標などを達成することで、すべての人が自分らしさを尊重される社會や會社づくりを目指してまいります。

2030 年へのムーンショット実現を目指して
私には信じていることがあります。それは、人間の本質的な喜びは良心に正直に生きることだということです。人には必ず良心があります。その良心を常に磨き、人にやさしく、思いやりを持って世の中の役に立つために懸命に努めることは、人間の本質的な喜びに直結していると思うのです。一度しかない人生を、生まれてきたからには少しでも多くの人の役に立ち、世の中に貢獻することこそが人間の生まれ持った使命ではないでしょうか。そのために、人が生まれ持った強みや個性をお互いに認め、活かし合い、力づけることのできる本當の幸福を実現したいと考えています。
私たちの使命である「すべての人が光り輝く人生を送る」ことは、SDGs が目指す「より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求する」ことと一致していると考えており、當 社の 価 値 創 造 モデルである「COMANY SDGs∞モデル」にあるように、すべてのステークホルダーの皆様との積極的な対話を大切にしながら具體的な計畫と目標を設定し、著実に実施してまいります。これに加え、國連グローバル?コンパクトの
4分野10原則にあります「人権?労働?環境?腐敗防止」に積極的に取り組むことは、企業が果たすべき社會的責任であると同時にイノベーションの可能性であると捉え、私たちは國連グローバル?コンパクトに署名し、10原則の実現を推進してまいります。
普遍的な価値観である人道と友愛の精神を胸に、「Empower all Life」を実現させるために、変えるべきことは大膽に変化させ新たなことに挑戦し、世の中になくてはならない企業であり続けられるよう、これまで培ってきた技術力を駆使し、未來へ向かって人々が光り輝ける社會づくりの一翼を擔えるよう、邁進してまいります。
「間づくりでEmpower all Lifeを実現する」というCOMANYの旅を一緒に続けましょう。